SNSやYouTubeでも注目を集めている「AirPods Pro(第2世代)」と「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」のワイヤレスイヤホンですが、機能や性能は何が違うのでしょうか?
この記事では、各メーカーの最上位モデルである新型ワイヤレスイヤホンの性能・装着感・使い勝手など、さまざまな角度から比較して解説しております。
イヤホンを疑似的に体験できるバーチャル試聴や、ノイキャン性能を体感できる音声も収録しておりますので、気になる方はチェックしてみてください。
まずは結論!
筆者が今どちらかのイヤホンを購入するならば、「AirPods Pro(第2世代)」を選択します。
「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」はノイキャン性能・音質が特徴として上げられますが、iPhoneユーザーの筆者としては「AirPods Pro(第2世代)」の方がメリットや使い勝手が合っているように感じたからです。
2つのイヤホンを比較する上で重要な項目を表にまとめてみました。
項目 | AirPods Pro(第2世代) | Quietcomfort Earbuds 2 |
---|---|---|
メーカーの販売価格 (2023/5月現在) | 39,800円 | 39,800円 |
ノイズキャンセリング機能 | 強力 | より強力 |
外音取込機能 | より優秀 | 優秀 |
マイク性能 | 自然な通話 | 機械的な音質 (改良予定) |
バッテリー性能 | イヤホン単体:6時間 充電ケース込:30時間 | イヤホン単体:6時間 充電ケース込:24時間 |
カラーバリエーション | 単色 ホワイト | 4色 トリプルブラック ソープストーン エクリプスグレー ミッドナイトブルー |
充電ケースサイズ | かなりコンパクト 6.1×2.2×4.5(cm) | 割とコンパクト 6.0×2.7×6.6(cm) |
重量 | 業界内でもトップクラス イヤホン単体:5.3g 充電ケース込:51g | 前作よりも軽量化 イヤホン単体:6g 充電ケース込:60g |
充電方式 | 有線/ワイヤレス充電 | 有線 |
伝送方式 | 片耳使用可能 左右同時 |
タップできる目次
機能を比較
「AirPods Pro(第2世代)」と「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」のメーカー希望価格は約4万円と、ワイヤレスイヤホンの中でも高級品に位置付けられます。
その為、どちらのイヤホンも音質・ノイズキャンセリング・外音取込機能など、ワイヤレスイヤホンに求められる機能を搭載しているだけでなく、その性能も非常に高いレベルに仕上がっています。
AirPods Pro2とQuietComfort Earbuds 2の音質を比較
「AirPods Pro(第2世代)」と「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」の音の傾向はかなり違いが見られました。
「AirPods Pro(第2世代)」の音の傾向はフラット、中高音域がクリアで解像感のある音質です。
低音はやや弱めなものの、ジャンルを問わず音楽を楽しめる音質です。
「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」の音質はドンシャリで、地を這うような重低音とパワフルなサウンドが特徴的です。
ロックやEDMなどの音楽と相性が良く、アクション系の映画を見るのにも適しています。
コーデックについては、どちらもSBC/AACに対応しており、aptXなどの高音質のコーデックには非対応です。
音の傾向については、過去の記事で触れていますので気になる方はチェックしてみてください。
「AirPods Pro(第2世代)」の音質を調整する方法を過去記事で触れてますので、気になる方はチェックしてみてください。
バーチャル試聴で音の傾向を確認
実際のイヤホンで音楽を流して収録を行いましたので、音の傾向が気になる方はチェックして見てください。※イヤホンでの視聴をおすすめします
AirPods Pro(第2世代) | Quietcomfort Earbuds 2 |
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AirPods Pro2とQuietComfort Earbuds 2のノイズキャンセリングを比較
「AirPods Pro(第2世代)」と「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」のノイズキャンセリング機能は、どちらも現在発売されているワイヤレスイヤホンの中ではトップクラスの性能を誇っています。
「AirPods Pro(第2世代)」は、環境音に多い低音域から中音域の雑音をきれいに除去してくれますが、高い音などは軽減しきれない時もあります。
「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」は、イヤホンを装着した瞬間から雑音の無い静かな世界を体感できます。低音域から高音域までほぼすべての音域で雑音を軽減してくれます。
ノイキャンが効きすぎると感じた場合は、アプリで強度を調整することも可能です。
どちらのイヤホンも、電車やバス内で使用すると周囲の音をほとんど軽減してくれるので、だれにも邪魔されず自分の世界で音楽やゲームを楽しむことができます。
遮音性にも優れているため、音量にもよりますが人が密集している状況でも、過度に音漏れを心配する必要はありません。
音楽を流さず静かな環境を作るデジタル耳栓としての使い方もあります
「AirPods Pro(第2世代)」のノイズキャンセリング機能を、引き上げるアイテムとしてイヤーピースがあります。
イヤーピースが耳穴の形にフィットしてくれるので遮音性が高まります。気になる方は過去記事をチェックしてみてください。
ノイズキャンセリング性能を体感
騒音が大きいとされる電車内でイヤホンを使用した場合のノイズ軽減テストを行いました。
下記動画内では、はじめから電車の音が聞こえますので、イヤホンをして体感してみてください。
※動画内でチリチリと聞こえる音はパソコン内の音を拾っている音ですので、実際にはそういった音は聞こえません
AirPods Pro(第2世代) | Quietcomfort Earbuds 2 |
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外音取込機能
「AirPods Pro(第2世代)」と「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」の外音取込機能は、現在発売されているワイヤレスイヤホンの中ではトップクラスの性能を誇っています。
「AirPods Pro(第2世代)」は、自分の耳のような感覚で周囲の音を聞くことができ、イヤホンを着けているのを忘れるきるほど自然な着け心地です。
また、自分の声もこもって聞こえることなく、イヤホンをしたままストレスなく会話をすることができます。
外音取込の機能は、どのワイヤレスイヤホンよりも優秀だと思います。
イヤホンを着けたままシャワーを浴びてしまったお客様を接客したことがあります
「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」も十分優秀な外音取込機能を搭載しています。
「AirPods Pro(第2世代)」と聞き比べるとやや劣るものの、比較しなければ分からない程度の差です。
イヤホンを装着したまま会話をすると、自分の声は少しこもって聞こえるので、その点は違いが見られました。
通話品質
「AirPods Pro(第2世代)」と「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」の通話品質はかなり違いが見られました。
「AirPods Pro(第2世代)」は、優秀なマイクを搭載しており、通話時の周囲の音を軽減してくれるので、通話相手にはクリアな音声を届けられます。
Apple製品間であれば、デバイスの切り替えもスムーズに行えるのでとても便利
「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」は、普通に通話することは可能ですが、音質がやや機械的な音になっている点が気がかりです。
調べたところによると、現在左側のマイクのみ稼働している状況で、今後のファームウエアのアップデートにより両方のマイクが使えるようになるようです。
2023/2にファームウエアの更新があり、両方のマイクが使えるようになりました。以前より通話品質は改善しましたが、「AirPods Pro(第2世代)」と比較すると見劣りしてしまいます。
今まで片方のイヤホンを使う場合は左側だけでしたが、アップデートにより右側のみでも使うことが出来るようになりました。
通話性能のテスト
静かな室内で通話した音声を収録しておりますので、通話性能が気になる方はチェックしてみてください。
AirPods Pro(第2世代) | Quietcomfort Earbuds 2 |
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カフェ店内の環境音のなか、通話した音声を収録しておりますので、通話性能が気になる方はチェックしてみてください。
AirPods Pro(第2世代) | Quietcomfort Earbuds 2 |
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使い勝手を比較
イヤホンは日常的に使用するアイテムなので、些細な事でも使用する度に気になるとストレスのもとになります。
ワイヤレスイヤホンを使用する上で大切な装着感や操作性などを比較しながら解説していきます。
ちなみに、「AirPods Pro(第2世代)」と「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」は、iPhone・Androidのどちらのスマートフォンであっても使用することができます。
装着感
「AirPods Pro(第2世代)」と「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」の装着感はどちらも非常に快適に装着することができます。
「AirPods Pro(第2世代)」は、本体が軽くシンプルな形状なのにしっかりと耳にフィットしてくれます。
「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」は、装着感を高めるためにイヤーピース以外にも独自開発のスタビリティーバンド(赤色部分)が搭載されており、安定した装着感を実現しております。
どちらも快適な装着感を得られますが、落ちにくさという観点からは「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」の方が、安定感があるように思います。
操作性
「AirPods Pro(第2世代)」と「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」は操作性が異なりますが、どちらも使い勝手の良い仕様になっています。
「AirPods Pro(第2世代)」の操作は、スティック部分を摘まむように押し込むと反応する感圧式センサーを搭載しています。
音量調整機能は今回のモデルから搭載されたので、スマホを取り出すことなく音量を調整できます。
「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」の操作は、タッチセンサーを搭載しているので、タップすることで操作ができます。
どちらもイヤホン側から音量を操作でき、快適に使うことができます。
操作 | AirPods Pro(第2世代) | Quietcomfort Earbuds 2 |
---|---|---|
再生/一時停止 | 1回クリック | 1回タップ |
音量調整 | 上下にスワイプ | 上下にスワイプ |
次の曲へ | 2回クリック | 2回タップ |
前の曲へ | 3回クリック | 3回タップ |
モードの切替 | 長押し | 長押し |
充電ケース・バッテリー性能
「AirPods Pro(第2世代)」と「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」はワイヤレスイヤホンとして標準的なバッテリー性能です。
「AirPods Pro(第2世代)」の充電ケースはかなりコンパクトな設計で、ズボンや上着のポケットにすんなり入り、女性の小さなカバンでも邪魔になりことはありません。
充電ケースは、ワイヤレス充電に対応しているだけでなく、MagSafe充電器でピタッと固定して充電することもできるので、充電ミスも減らせます。
紛失した時に探す機能が搭載されており、アプリから位置を特定するかスピーカーから音を発して探すこともできます。
「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」の充電ケースは、ワイヤレスイヤホンの中では標準的なサイズ感です。ズボンのポケットにも入り、カバンにも入れることができ気軽に持ち運べます。
充電方式に関しては、有線(USB Type-C)のみに対応しているので、普段スマートフォンをワイヤレス充電している方にはマイナスポイントかもしれません。
製品名 | AirPods Pro(第2世代) | BOSE Quietcomfort Earbuds 2 |
本体 | ||
イヤホン重量 | 片耳:5.3g | 片耳:6.0g |
ケース重量 | 51g | 60g |
ケースサイズ | 6.1×2.2×4.5(cm) | 6.0×2.7×6.6(cm) |
連続再生時間 | イヤホン単体:6時間 充電ケース込:30時間 | イヤホン単体:6時間 充電ケース込:24時間 |
充電時間 | 約4時間 急速充電:5分の充電で最大1時間 | 約3時間 急速充電:20分の充電で最大2時間 |
カラー | ホワイト | トリプルブラック ソープストーン エクリプスグレー ミッドナイトブルー |
デバイスの切替
Apple製品を複数使われているのであれば、「AirPods Pro(第2世代)」は自動でデバイスを切り替えてくれる機能があります。
例えば、イヤホンを使ってiPadで動画を見ている時に、iPhoneの着信に応答すると自動で接続が切替わりますので、そのまま通話をすることができます。
「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」は複数のデバイスに接続するマルチポイント機能を搭載していないので、接続を切替える時はデバイス側から手動で行う必要があります。
最近の高級ワイヤレスイヤホンには、ほとんど搭載されている機能なので、ここはちょっと残念なポイント
遅延について
「AirPods Pro(第2世代)」と「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」は最新のBluetooth5.3に対応しており、接続は安定してしております。
ワイヤレスイヤホンなので、遅延がゼロという分けにはいきませんが、動画やゲームをしてみても体感できるほどの遅延を感じられませんでした。
音声データを圧縮する方式をコーデックと呼びますが、そのコーデックの種類によって遅延の速度が変わってきます。
iPhoneであればAACコーデックなので、遅延は約0.12秒となっており、ほとんどの方は気にならない程度だと思います。
SBCコーデックの場合は、遅延が0.22秒となっており、人によっては気になる可能性があります。
「コーデックってなに?」という方は、スマホの対応機種も含めて過去記事で解説しておりますので、気になる方はチェックしてみてください。
その他の機能
空間オーディオ
空間オーディオはApple独自の機能で、360°音に包まれているような立体的な音声を楽しむことができます。
臨場感が感じられるため、家や移動中の車内でもライブ会場や映画館にいるかのような感覚を味わうことができます。
Appleが提供している音源や動画だけでなく、ほとんどのストリーミングサービスで空間オーディオを体感できる点もうれしいポイントです。
アプリによるカスタマイズ性
「AirPods Pro(第2世代)」はイコライザー機能を搭載しているものの、調整できる項目はけして豊富ではありません。
「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」に関しては専用のアプリ「Bose Music」があるので、音質だけでなくノイズキャンセリングの強弱も調整することができます。
また、製品のアップデートやイヤーチップの装着テストもこのアプリから行えます。
イヤホンを探す機能
「AirPods Pro(第2世代)」には、充電ケースに探す機能(Air Tag)が搭載されているので、詳細な位置情報の取得可能になっています。
iCloud.comにログインして探すと、左右のイヤホン本体を探すことができます。(左端の画像)
写真の中央・右の画像は、スマホの「探す」アプリ上から充電ケースのみと充電ケース+イヤホン本体を探したときの画面です。
また、今作から充電ケースにスピーカーが搭載されたので、充電ケースのみを紛失した場合でも音を頼りに見つけることができます。
家の中で無くしても、どこかに置き忘れたとしても探すことができるようになったのは凄い進化ですね。
「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」は、「Bose Connect」アプリを使用すると最後に通信を行った場所を教えてくれるので、探す際の手掛かりになります。
まとめ
「AirPods Pro(第2世代)」と「BOSE Quietcomfort Earbuds 2」の性能と使い勝手を比較解説させて頂きました。
最後に、こんな方はこっちのイヤホンがおすすめ!をまとめましたので、参考にして頂ければ幸いです。
- クリアな音質かつ聞き疲れしにくい音で音楽を楽しみたい方
- 仕事や勉強でもイヤホンを使いたい方
- デバイスを切り替えをスムーズに行いたい方
- iPhone・iPadなどApple製品を使われている方
- 重低音が響くBOSEサウンドで音楽を楽しみたい方
- 最強のノイズキャンセリングを搭載したイヤホンを使いたい方
- アプリを使って、自分好みにカスタマイズを行いたい方
- カラバリが豊富なので、イヤホンのカラーを選択したい方
それぞれのイヤホンをレビューしている記事もありますので、気になる方はチェックしてみてください。
家電量販店のオーディオコーナーで店員をしつつ、大好きなイヤホン・スピーカーの魅力を発信しています。→初めてのワイヤレスイヤホンの選び方を解説