SONYから発売された「WH-1000XM5」は、音質の良さは言わずもがな、進化した機能によりヘッドホンの枠を超えて、ウェアラブル端末の域に達しています。
処理チップの改良により、機能がブラッシュアップされ、今までよりも素早く感覚的に操作可能となりました。
思い通りに動く操作性と快適な着け心地で、音楽・映画鑑賞からテレワークなどの仕事まで一日を通してストレスなく使うことが出来ます。
この記事では、筆者が実際にヘッドホンを使用してみた感想や店員として接客中に頂いたお客様の声を元に「SONY WH-1000XM5」の魅力をお伝えします。
- ノイキャンは自動で最適化、常に静かな環境を作り出してくれます
- 軽くて着け心地が良いので、長時間使っても疲れにくい
- 高性能なマイクでクリアな音声を届けられる
- デバイスとの接続の安定、切替が驚くほど速くてスムーズに行える
- マルチポイントとLDAC接続が同時に行えない
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SONY WH-1000XM5のレビュー!
製品の外観と使い方

ヘッドフォンのデザインは前作の「WH-1000XM4」から一新され、極限まで無駄をそぎ落としたデザインとなっています。
洗練されたデザインのため一見冷たさを感じますが、実際に手に持ってみると手触りの良いマットな質感に温かみを感じます。

左側のハウジング部分には、電源とカスタムボタンが配置されています。

右側のハウジング部分がタッチパットになっており、基本的な操作はヘッドフォンから行えるようになっています。
ヘッドバンドは前作よりもスリムかつ軽量になっており、高い装着安定性を実現しているそうです。
- 再生/一時停止:2回タップ
- 音量を上げる:下から上にスワイプ
- 音量を下げる:上から下にスワイプ
- 次の曲へ:後ろから前にスワイプ
- 前の曲へ:前から後ろにスワイプ
装着感

実際にヘッドフォンを装着してみると、マイルドな側圧なのにしっかりとフィットしてくれ高い遮音性を実現しています。
イヤーパッドも柔らかく、本体の軽さも相まって着け心地はかなり良好です。
イヤーパッドの素材は、「ソフトタッチレザー」を採用しており、柔らかく装着時の安定性に一役買ってくれています。
筆者は普段メガネをしておりますが、その上からヘッドホンを装着してもストレスはなく、長時間の使用でも問題はなさそうです。

前作よりもヘッドバンドがスリムになっていますが、装着感に問題はありません。

装着感を調整するためのヘッドホンのスライダー部分は、シームレスな仕様になっており、無段階で調整ができます。
ちなみに、このヘッドフォンには防水機能はありませんので、外出先での雨やスポーツ中に使用するには注意が必要です。

スライダーの調整できる幅が広いので、筆者の大きな頭でも優しく包み込んでくれました
音質

音はフラットに近い傾向の音質で、解像感が高く奥行も感じられて安定のSONYらしいサウンドを聞くことができます。
ただし、「WH-1000XM4」から劇的に進化しているのか?と問われると答えはNOです。
進化した点としては、高音域の伸びや透明感、解像度が少し向上しているように感じられました。

音質に関しては、「WH-1000XM4」の時点で十分完成されていたと思う
ちなみに、付属してある有線コードを使用すれば直接繋ぐことができ、ハイレゾで音楽を楽しむことが可能です。
動画編集などの仕事や本格的にゲームする際に、遅延を無くすために有線で接続して使用する方法もあります。
また、ノイズキャンセリング機能は使えなくなりますが、バッテリーが無くなったとしても普通のヘッドフォンとして使用することができます。
ノイズキャンセリングと外音取込機能

このヘッドフォンの最大の特長はノイズキャンセリング機能です。
周囲の騒音レベルに合わせて自動でノイズキャンセリングの強度を調整してくれます。
他のヘッドフォンでも自動でノイズキャンセリングを調整してくれるものはありますが、これだけ瞬時かつ自然に行えるヘッドフォンは他にありません。
この調整機能により、ノイズキャンセリング特有の圧迫感がほとんど感じることなく、とても快適な装着感を得られます。
その秘密は、高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1と統合プロセッサーV1を組合わせることで、処理の速度が飛躍的に向上したためです。
この恩恵は、後ほど解説させて頂く「スピーク・トゥ・チャット」・「クイックアテンション」などの機能にも影響を与えています。
ヘッドフォン自体の起動も早くなり、モードの変更もテンポよく切り替わってくれます。

この心地の良いノイズキャンセリング体験は、「WH-1000XM5」の大きな特長の一つです
「WH-1000XM5」の外音取込機能も大きく進化しています。
前作の「WH-1000XM4」でも周囲の音をクリアに聞いたり、会話をすることはできましたが、今作になってそのクオリティーが上がっています。
マイクの数と性能が向上したことで、周囲の音を十分な音量でよりクリアに聞くことができるようになりました。
電車内のアナウンスもしっかり聞き取れますし、人との会話も違和感なく行えます。
このヘッドホンには、優秀なマイクが8つも搭載されています。
騒音下でも通話相手にクリアな音声を伝えるためにハイテクな技術をいくつも搭載しています。
通話時にあなたの声だけを拾うビームフォーミング技術が採用されていたり、AIを利用して周囲の雑音を最大限に抑える機能も搭載されています。
騒音の激しい幹線道路で通話品質のテストを行いましたが、雑音をしっかりと抑えておりクリアな音質で通話することができました。
体感で言うと、約9割のノイズを除去してくれている感覚です。
オンライン会議や授業をカフェや多少騒がしい場所で行ったとしても、通話相手にはあなたの声だけがしっかりと届きます。
対応デバイス
このヘッドフォンは、WALKMAN(ウォークマン)だけでなくiPhoneやAndroidにも対応しています。
コーデックはSBC・AAC・LDACに対応しています。
AndroidやウォークマンでLDAC接続すれば、超高音質で音楽を楽しむことができます。

iPhoneの場合でもハイレゾ相当で音楽を楽しむために、DSEEという機能が準備されています。iPhoneやiPadなどのAAC接続でも高音質を実現しています。

「コーデックってなに?」という方で、内容が気になる方は関連記事をチェックしてみてください。
ペアリング方法
ペアリングはアプリから行う方法と、Bluetooth設定から行う方法があります。
ここでは、Bluetooth接続から行う方法をご案内します。アプリからの接続方法は後ほどご案内します。
電源ボタンを約7秒間長押しをする。
ペアリングモードになれば、ランプ(青色)が2回ずつ点滅を繰り返します。
デバイス(iPhoneなど)のBluetooth設定から「WH-1000XM5」を選択すると接続されます
スマートフォンだけでなく、Bluetooth接続に対応したPC(パソコン)やゲーム機(PS5など)にも接続することができます。

次回からは電源を入れると自動的に接続されます
アプリやその他の機能
専用のアプリ(HeadPhones Connect)を使用することで、このヘッドフォンの魅力的な機能を最大限引き出すことができます。
もちろん、無料で使えるためダウンロードをおすすめします。

ペアリング
ヘッドフォンの電源を入れた状態で、アプリを起動して画面の案内に沿って進んでいきます。
「WH-1000XM5」を選択する画面になりますので、タップすることで接続が開始されます。写真のような画面に切り替わるとペアリングが完了です。
スピーク・トゥ・チャット
ヘッドフォンがあなたの声を感知して、ノイズキャンセリングモードから外音取込モードへ自動で切り替えてくれます。
突然話しかけられたり、手を使えない場面でモードを変更したい時に便利な機能です。
処理速度の向上により、話した瞬間にモードが切替わるので使い勝手が向上していますし、使っていて違和感を感じません。
クイックアテンション
人と会話をしたい時に、便利な機能です。
右のハウジングを手のひらでタッチしている間は、音楽の音量を抑えてくれるので、相手の声が聞きとりやすくなります。
こちらも処理速度の向上により、話した瞬間にモードが切替わるので使い勝手が向上しています。筆者のお気に入りの機能の一つです。
着脱検知機能
ヘッドフォンを外したり、首に掛ける動作を検知して音声を一時停止してくれます。
その都度操作して音声を止める必要がないので、あると便利な機能の一つです。
アクティブサウンドコントロール
あなたの行動を検知して自動でノイズキャンセリングの強度を調整してくれる機能も搭載されています。
歩いている時は安全を考慮して弱めに調整してくれたり、止まっている時は集中できるように周囲の音を遮断してくれたりと行動に合わせて最適化を行ってくれます。
また、位置情報を利用して特定の場所を登録することで、ノイズキャンセリングのコントロールを行うこともできます。
例えば、行きつけのカフェであればノイズキャンセリングを強くしたり、家にいる時は弱めたりと場所に合わせて最適化が行えます。

イコライザーで音質調整
あらかじめ用意されたプリセットを選択する方法と、音域ごとに設定を調整できるイコライザー機能の2つの方法が用意されています。
好みの音質に調整でき、設定を保存することも可能です。個人的にはプリセットにある「Excited」がおすすめです。
ノイズキャンセリングの最適化
装着状況をテストすることで、最適なノイズキャンセリングを行える機能が搭載されています。
装着状態に最適化と周囲の気圧状態に最適化の2つの設定が用意されており、設定することで心地よく使えるため一度試してみてほしい機能の一つです。
マルチポイント接続
2台のデバイスまで同時に接続することができるので、スマートフォンやタブレットなど複数の端末をお持ちであれば、スムーズに接続を切替えることができます。
アプリから「システム」→「2台の効きと同時に接続」をオンにすることで使用することができます。
2台目のデバイスとの接続は、本体の電源ボタンを約7秒間長押しすることでペアリングモードに入りますので、そちらから接続を行ってください。
バッテリー性能
このヘッドフォンは、ノイズキャンセリングをオフにした状態だと最大40時間再生することができます。
ノイズキャンセリングをオンにした状態でも最大30時間使用することができます。
万が一、バッテリーが切れてしまっても有線接続をすることで機能は限られますが音楽を聞くことは可能です。
ちなみに、充電しながら音楽を聞くことができない仕様になっています。
Google Fast Pairに対応
Google Fast Pairを使って簡単にペアリングを行うことができます。
スマートフォンの近くで、ヘッドフォンの電源を入れると通知が届き、そこからBluetoothの接続を行うことができます。
また、Googleアプリの「デバイスを探す」を使うことで、最後に接続を行った場所を地図上に表示してくれます。
この機能を利用することで、ヘッドフォンを置き忘れたときや紛失の時の探し出す手掛かりになります。
スペック表・価格
項目 | 仕様 |
発売日 | 2022/5/27 |
メーカー小売価格 | 59,400円 |
再生時間 | 最大40時間 |
ドライバサイズ | 30mm |
再生周波数 | 4Hz~40kHz |
充電時間 | 約3時間(急速充電:15分で最大3時間使用) |
充電方式 | USB Type-C |
ノイズキャンセリング | 〇 |
外音取込 | 〇 |
通話機能 | 〇 |
マルチポイント | 〇 |
折りたたみ | 〇 |
重量 | 250g |
対応コーデック | SBC/AAC/LDAC |
Bluetooth | ver.5.2 |
NFC | 〇 |
AIアシスタント搭載 | Google アシスタント Amazon Alexa |
AIアシスタント呼出機能 | 〇 |
カラー | ブラック/プラチナシルバー |
こんな方におすすめ
今回ご紹介した「SONY WH-1000XM5」を一言でまとめると、一日を通して使用できる快適性と機能性を併せ持った、ウェアラブル端末に近いヘッドフォンでした。
最後に、「SONY WH-1000XM5」をおすすめできる方をまとめましたので、参考にして頂けると幸いです。
- 娯楽から仕事まで幅広い場面で使えて、使い勝手の良いヘッドフォンをお探しの方
- 長時間使用できるフィット感の高いヘッドフォンをお探しの方
- フィット感が良く、耳が痛くなりにくい快適なヘッドフォンをお探しの方
- 周囲の雑音を違和感なく消してくれ、高音質で音楽が楽しめるヘッドフォンをお探しの方
- 電車など近くに人がいる場面でも音漏れを気にせず音楽を楽しみたい方
家電量販店のオーディオコーナーで店員をしつつ、大好きなイヤホン・ヘッドフォンの魅力を発信しています。