2021年10月にSONYから発売された「WF-C500」は、VGPにおいて2022年・2023年と2年連続で受賞しています。
VGPは国内最大級を誇るオーディオビジュアル機器のアワードで、製品の品質や価格を考慮し、コストパフォーマンスの優れた製品が選出されます。
プロによる厳正な審査で選ばれた「WF-C500」は、SONYの最上級モデル「WF-1000XM4」と比較するとどうなのか?「WF-C500」をレビューしながら解説していきたいと思います。
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SONYのエントリーモデル WF-C500のレビュー
製品の外観
まずは外観から見ていきましょう、充電ケースのサイズは幅8cmx奥行3.5cmx高さ3cmと、細長い形状になっています。
デザインはとてもシンプル、ケース上部にはロゴが控えめに入っています。
充電ケースの背面には充電用のUSB Type-C端子があります。充電方式は有線のみとなっており、ワイヤレス充電には対応しておりません。
イヤホン本体は丸みを帯びた形状で、愛着の湧くポップなデザインです。マットな質感なので、指紋が付きにくく滑りずらい点が個人的には気に入っています。
また、側面にはマイクとボタンが配置されており、このボタンから曲の再生/停止や受電などの対応が可能です。
「WF-C500」と「WF-1000XM4」のイヤホン本体を並べてみると、「WF-1000XM4」の方がイヤホンに厚みがあり、イヤーピースは低反発のウレタン製が標準仕様になっています。
カラーバリエーションは基本色のホワイト・ブラックを用意、流行の「くすみカラー」を取り入れたアイスグリーン・コーラルオレンジもあり、日常使いからアクセサリーとしても使えるので、幅広い場面で使えそうです。
装着感
イヤホンの高い装着感と安定性を実現するために、SONYが保有する耳形状のデータを活用してデザインされました。
実際に装着してみましたが、イヤホンが耳に収まるようなつけ心地でとても快適に感じました。耳とイヤホンの接触面が広いため、フィット感が良く遮音性も抜群です。
遮音性を確かめるために、音漏れの実験をしてみました。音量を最大付近にすると、さすがに音漏れはありましたが、通常の音量であれば音漏れの心配はありません。
経験上、以下の方にはフィット感という観点から「WF-C500」はあまりおすすめできません。
- 耳の小さな方
- 今までイヤホンのフィット感で悩んできた方
上記の方には、最軽量でフィット感の高いイヤホン「HP-T200BT」をおすすめします。
音質
音質は、低音域から高音域までバランスがよく、SONYらしい音質に仕上がっています。特にボーカルが気持ちよく聞こえ、やっぱりSONYいいなーと改めて感じました。
SONYのハイエンドモデルである「WF-1000XM4」と聴き比べると、やはり音質・解像感はやや劣りますが、音の傾向は非常に似ています。
「WF-1000XM4」の様にノイキャン・外音取込機能が使えるわけではありませんが、その分「WF-C500」は音質に全振りした製品ではないかと感じました。
私は、イヤーピースを「Final TYPE-E」に変えて使っています。音により厚みができるので、物足りない方にはおすすめできます。
「WF-C500」はマイクが搭載されているので、イヤホンで通話することが可能です。
通話品質は静かな室内で使用するには問題なく使え、テレワーク中の通話やweb会議でも使用しましたが相手にしっかりこちらの声が届いているようでした。
しかし、屋外や雑音の多い場所で使用する時は、周囲の音が相手に聞こえてしまうので、使用する場所には注意を払う必要があります。
ノイズキャンセリング・外音取込機能
「WF-C500」と「WF-1000XM4」の大きな違いは、ノイズキャンセリング・外音取込機能の有無にあります。
「WF-1000XM4」は高性能なノイキャン・外音取込機能があるので、使用するシーンに合わせてモードを切り替えて便利に使用することができます。
「WF-C500」はエントリーモデルということもあり、どちらの機能も搭載しておりません。
とはいえ、遮音性の高いイヤホンなので周囲の雑音を軽減する効果はありますし、片耳での使用もできるので、周りの音を聞きながら作業をすることも可能です。
「WF-C500」は、シンプルな機能で音質が充実したモデルになりますので、初心者の方や価格を抑えてソニー製品を使用した方に向いています。
ノイズキャンセリング機能が苦手な方もいらっしゃいますので、そういった方にも「WF-C500」はおすすめできます。
アプリ
iPhone・Androidには専用のアプリ(Sony | Headphones Connect)が用意されており。無料でダウンロードして使用することができます。
アプリがあると、Bluetooth接続も簡単に行えるだけでなく、音質を調整するためのイコライザー機能や設定を変更することもできます。
音質調整には2種類の方法があり、音楽に合わせてプリセットを選択するか、音域ごとに細かく調整するイコライザー機能が用意されています。
低音を強調して迫力のある音質で音楽や映画を楽しみたい時は、イコライザー機能の低音域を調整してください。
操作方法
イヤホンを使用する際は充電ケースから取出すことで、自動で電源オンの状態になります。
ペアリング済みであれば、そのまま耳に装着することでイヤホンを使えます。
逆に充電ケースに収納すると自動で電源オフになるので、電源に関しては何か特別な操作をする必要はありません。
イヤホンの操作方法
イヤホン本体のボタンから曲の一時停止/再生・曲送り/曲戻し・通話の開始/終了など、スマートフォンを取出さなくてもある程度の操作が可能になっています。
「WF-C500」は左右のイヤホンで操作できる内容が異なるので、分かりやすいように一覧でまとめました。
タッチ操作方法 | 左のイヤホン | 右のイヤホン |
再生/停止 | 1回のタップ | |
曲送り | 2回のタップ | |
曲戻し | 3回のタップ | |
音量を上げる | 1回のタップ | |
音量を下げる | 再生中に長押し | |
通話開始 | 1回のタップ | 1回のタップ |
着信拒否 | ? | |
通話終了 | 1回のタップ | 1回のタップ |
ノイキャン・外音取込の切替え | 3回のタップ | |
音声アシストの起動 | 長押し |
ペアリング方法
デバイス(スマートホンなど)と接続するには、アプリ(Sony | Headphones Connect)で行う方法と手動で行う方法の2種類が用意されています。
専用のアプリをダウンロードすることで、簡単にペアリングをすることができます。のちのち、音質調整・イコライザー・設定の変更をする予定があるなら、アプリを入れておいた方がスムーズです。
手動のペアリング方法は、お使いのデバイスによって多少変わってきますが、設定の中のBluetoothから接続することができます。
iPhone・Android(アンドロイド)・ウォークマン・PC・iPad・Nintendo Switch
※PCがwindowsの場合は、音楽再生の接続(A2DP)対応のBluetooth機能が必要
ケース点滅・イヤホン点滅
イヤホン本体や充電ケースの動作状態をランプで確認できるようになっています。ランプは青色かオレンジ色の点滅・点灯で判断できます、一覧でまとめたのでご参考ください。
イヤホン本体 | 充電ケース | |
電源が入った時 | 2回青色が点滅 | |
電源が切れる時 | 2秒間青色点灯 | |
残量表示 | オレンジ色が約15秒間隔で点灯 (残量20%以下) | オレンジ色が約15秒間隔で点灯 (残量30%以下) |
充電中 | オレンジ色点灯 | オレンジ色点灯 |
充電完了 | 消灯 | 消灯 |
電池温度異常 | 2回ずつオレンジ色点滅を繰り返す | 2回ずつオレンジ色点滅を繰り返す |
充電異常 | 約0.5秒間隔で遅いオレンジ色点滅を繰り返す | 約0.5秒間隔で遅いオレンジ色点滅を繰り返す |
オレンジ色の点滅の場合、電池温度異常か充電異常の場合があるので、改善しない時はメーカーに問い合わせる必要があります。
説明書・故障・紛失・問合せ
「WF-C500」は取扱説明書(マニュアル)の他にヘルプガイドを用意してくれています。
基本的な操作方法は取扱説明書(マニュアル)を見れば掲載されております。ヘルプガイドに関しては、130ページに渡りしっかりと製品について説明が掲載されています。
故障かな?と思ったらヘルプガイドを参照してみてください。電源がつかない・充電できない・片耳しか聞こえない・音飛びがするなどの不具合の解決策が記載されています。
不具合が起こったらとりあえず、本体の初期化をしてみよう。リセットしても解決しない場合はヘルプガイドを参考しましょう。
充電ケースやイヤホンを紛失してしまった場合、「WF-C500」にはAirPodsの様にデバイスを探す機能が搭載されていないので、記憶を元に探すほかありません。
ちなみに、「WF-C500」のイヤホン・充電ケースの紛失については、代替品が使えないように設定されているため、SONYに修理に出す以外方法はありません。※保証期間内でも紛失は保証対象外になります
メルカリなどで、充電ケースや片耳だけを購入しても使用できませんのでご注意ください。
スペック・価格の一覧表
発売日 | 2021/10/8 |
メーカー希望小売価格 | 10,450円(税込) |
アマゾン価格(2023/1/10時点) | 9,319円(税込) |
充電ケースサイズ | 幅8cmx奥行3.5cmx高さ3cm |
重量 | 片耳5.4g ケース35g |
ノイズキャンセリング | なし |
外音取り込み機能 | なし |
コーデック | SBC/AAC |
連続再生時間 | 最大10時間(ケースを含めると20時間) |
充電時間 | 約2.5時間 急速充電対応(10分で60分の再生が可能) |
Bluetoothバージョン | ver.5.0 |
防塵・防水性能 | IPX4 (防滴には対応しているが、シャワー・お風呂ではの使用は故障の原因になります) |
まとめ
「WF-C500」を「WF-1000XM4」と比較しながら解説させて頂きました。
最後に、下記のような方には「WF-C500」がおすすめできると思いますので、ご参考ください。
- コスパの良いイヤホンを探している方
- 有名ブランドで安定した品質のイヤホンを1万円以下で探している方
- 軽くてコンパクト・さりげなく付けられるイヤホンを探している方
ウレタン製のイヤーチップは耳栓の様な遮音性があり、音質にもいい効果を与えます。別売りにはなりますが、「WF-C500」もイヤーピースを変更することが可能です。