SONYから発売されている新型「WH-1000XM5」と「WH-1000XM4」どんな違いがあるのでしょうか?
両者を比較すると、ヘッドフォン本体のデザインと、搭載されている機能の処理速度が異なります。
また、このシリーズの進化は、
「WH-1000XM3」→「WH-1000XM4」:マイナーチェンジ
「WH-1000XM4」→「WH-1000XM5」:フルモデルチェンジ
新型「WH-1000XM5」は前作よりも大幅に進化を遂げています。
この記事では、SONYの「WH-1000XM4」と新作の「WH-1000XM5」の音質・性能・装着感・使い勝手など、様々な角度から比較して解説しております。
まずは結論!
筆者の結論としては、購入するなら「WH-1000XM5」がおすすめです。
「WH-1000XM5」は、思い通りに動く操作性と快適な着け心地で、音楽・映画鑑賞からテレワークなどの仕事まで一日を通してストレスなく使うことが出来ます。
音楽を楽しむだけのヘッドフォンの枠を超えて、いつでも身に着けていたいウェアラブル端末へと進化したように感じました。
それぞれの機能の比較やその他の機能については、本文で詳しく解説させて頂きます。
「WH-1000XM5」と「WH-1000XM4」の主要な項目をピックアップして比較しています。
項目 | WH-1000XM5 | WH-1000XM4 |
---|---|---|
発売日 | 2022/5/27 | 2020/9/4 |
参考価格 (2023/3月現在) | 59,400円 | 48,400円 |
ノイズキャンセリング機能 | 強力なのに自然な着け心地 | 強力 |
外音取込機能 | とても自然 | 優秀 |
マイク性能 | クリアな通話品質 | 優秀 |
バッテリー性能 | 最長40時間 15分の充電で最長3時間 | 最長38時間 15分の充電で最長3時間 |
充電時間 | 3.5時間 | 3時間 |
重量 | 250g | 254g |
充電方式 | 有線(USB Type-C) | 有線(USB Type-C) |
コーデック | SBC/AAC/LDAC | |
カラー | 2 色 ブラック/プラチナシルバー |
タップできる目次
製品の外観
「WH-1000XM5」と「WH-1000XM4」を比較すると、電源やカスタムボタンなどの配置に変更はありませんが、外観はかなり違いが見られます。
「WH-1000XM4」の外観は無駄のないシンプルな形状で、前作の「WH-1000XM3」のデザインを継承しています。
ヘッドバンド部分がしっかりとした作りで、厚みもあるため装着した時も安定したフィット感を得られそうです。
「WH-1000XM5」のデザインは前作の「WH-1000XM4」から一新され、極限まで無駄をそぎ落としたデザインとなっています。
ハウジング部分も継ぎ目の無いデザインで、サイズ調整の為のスライダー部分もシームレスな無段階で調整のできる仕様になっています。
どちらも右のハウジング側面をタッチすることで操作ができる仕様になっています。
- 再生/一時停止:2回タップ
- 音量を上げる:下から上にスワイプ
- 音量を下げる:上から下にスワイプ
- 次の曲へ:後ろから前にスワイプ
- 前の曲へ:前から後ろにスワイプ
ノイズキャンセリングと外音取込機能
「WH-1000XM5」と「WH-1000XM4」の一番大きな差を感じたのが、ノイズキャンセリング機能です。
どちらのヘッドフォンもノイズキャンセリング機能の性能が高く、遮音性は優れていますが、着けている時の自然さが異なります。
「WH-1000XM5」は、周囲の雑音レベルに合わせて自動でノイズキャンセリングの強弱を調整してる機能を搭載。
そしてこの調整機能により、ノイズキャンセリング特有の圧迫感をほとんど感じることなく、とても快適な装着感を得られます。
その秘密は、高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1と統合プロセッサーV1を組合わせることで、処理の速度が飛躍的に向上したためです。
この恩恵は、後ほど解説させて頂く「スピーク・トゥ・チャット」・「クイックアテンション」などの機能にも影響を与えています。
ノイキャン特有の耳が詰まるような感覚が無くなります
「WH-1000XM5」と「WH-1000XM4」の外音取込機能にも差が見られました。
「WH-1000XM4」の外音取込機能は、前作よりも改善しています。
ヘッドフォンを装着していても、会話をすることができ人の声も聞き取ることができます。
一方、「WH-1000XM5」はとても自然な音声で周囲の環境音を聞くことが出来ます。
ヘッドフォンを装着していないような感覚、とまでは言えませんが人との会話もスムーズかつクリアな音声で聞くことができます。
「WH-1000XM5」は優秀なマイクを8つ搭載することにより、あなたの声をしっかりと収音し、周囲のノイズもきれいに除去してくれます。
どちらのヘッドフォンでもクリアな音質で会話をすることができますが、「WH-1000XM5」の方が、周囲が騒がしい環境でも安心して通話をすることができます。
筆者の体感としては、周囲の雑音を9割ぐらい軽減してくれている印象で、現在発売されているヘッドフォンの中では1番の性能だと思います。
音質
「WH-1000XM5」と「WH-1000XM4」を比較すると、大きな差は見られませんでした。
どちらのヘッドフォンも、音はフラットに近い傾向の音質で、解像感が高く奥行も感じられて安定のSONYらしいサウンドを聞くことができます。
細かい違いを上げるとすると、「WH-1000XM5」は高音域の伸びや透明感、解像度が少し向上しているように感じられました。
音質も向上していますが、それよりも処理速度の向上による使い勝手の良さが目立っています
使用感
「WH-1000XM5」と「WH-1000XM4」の細かい使用感などを比べてみます。
項目 | WH-1000XM5 | WH-1000XM4 |
---|---|---|
バッテリー性能 | 最長40時間 15分の充電で最長3時間 | 最長38時間 15分の充電で最長3時間 |
充電時間 | 3.5時間 | 3時間 |
充電方式 | 有線(USB Type-C) | |
コーデック | SBC/AAC | SBC/AAC/LDAC |
マルチポイント | 対応 |
バッテリー性能
「WH-1000XM4」と比べて「WH-1000XM5」は2時間ほどバッテリー性能が優れています。
時間的に見るとほどんど変わっていませんが、機能がパワーアップしているのに使える時間が伸びているため、目立ちはしませんがしっかり進化しています。
マルチポイント
「WH-1000XM5」と「WH-1000XM4」には、同時に2台のデバイスに接続できるマルチポイント機能が搭載されています。
スマートフォンとパソコンなど、複数のデバイスを所有している方なら接続を簡単に切替えられるため、非常に便利な機能です。
接続の安定・切り替えの早さは「WH-1000XM5」に軍配が上がります。
ちなみに、マルチポイント接続を行っている時はLDACでの再生が行えませんので、注意が必要です。
装着感
「WH-1000XM5」と「WH-1000XM4」はどちらも装着感が良く、長時間装着していても疲れにくい仕様になっています。
「WH-1000XM4」は、ヘッドバンド・イヤーパッドには柔らかい低反撥ウレタン素材を使用しています。
「WH-1000XM5」のイヤーバンドには、ソフトタッチレザーが採用されており、柔らかく装着時の安定性に一役買ってくれています。
ヘッドバンドが前作よりもスリムになっていたので、装着感が気になっていましたが、長時間の使用でも心地よく装着することができました。
どちらのヘッドフォンもメガネの上から装着しても、違和感や痛みはありませんでした
遅延について
接続モードによって遅延が発生するので、用途に合わせて切り替える必要があります。
高音質で音楽を楽しむときは、音声優先モードを選択する。
動画やゲームの時は接続優先モードに切り替えることで遅延が気になることもありません。
その他の機能の違い
SONYのヘッドフォンにはたくさんの便利な機能が搭載されています。
その中でも「WH-1000XM5」と「WH-1000XM4」の機能には違いが見られます。
例えば、スピーク・トゥ・チャットやクイックアテンションのような、モード(ノイキャン⇔外音取込)が切替わるような場面での処理速度が圧倒的に早くなっています。
スピーク・トゥ・チャット:話を始めると自動で外音取込モードに切り替わる機能
クイックアテンション:右のハウジングをタッチしている間、音楽の音が小さくなり周りの音が聞きやすくなる機能
「WH-1000XM5」と「WH-1000XM4」では同じ機能を搭載していますが、筆者は「WH-1000XM5」を使い始めてから上記の機能を有効にしました。
もちろん「WH-1000XM4」を使っていた時も、何度か機能を使ってみましたが思い通りに動かないことや、反応がいまいちな時があったので、使用していませんでした。
SONYの独自の便利な機能は「WH-1000XM5」になって完成したと思います
まとめ
「WH-1000XM5」と「WH-1000XM4」の性能と使い勝手を比較解説させて頂きました。
どちらも優秀なヘッドフォンですが、SONY独自の便利な機能をスマートに使うなら「WH-1000XM5」をお勧めします。
逆に、シンプルな機能に絞って音楽だけを楽しみたいのであれば「WH-1000XM4」を選んでも後悔しないと思います。
それぞれのヘッドフォンを個別でレビューしておりますので、気になる方はチェックしてみてください。
家電量販店のオーディオコーナーで店員をしつつ、大好きなイヤホン・ヘッドフォンの魅力を発信しています。