2023年に登場した「EAH-AZ80」は、発売後しばらく手に入らないほど人気のイヤホンでしたが、その後継機となる「EAH-AZ100」の完成度はどうなのでしょうか?
早速入手しましたので、「EAH-AZ100」を使ってみた感想を正直に解説していきたいと思います。
家電量販店のオーディオコーナーで店員をしつつ、大好きなイヤホン・ヘッドホンの魅力を発信しています。→初めてのワイヤレスイヤホンの選び方を解説
【総合評価100点】Technics「EAH-AZ100」の特徴は?

Technics「EAH-AZ100」は、4万円前後の同価格帯イヤホンと比較してもダントツの音質かつ性能の高さでしたので、総合評価を100点としました。※4.0万円以下のイヤホンとして算出
このブログでは過去に400件近い記事を掲載してきましたが、総合評価100点は今回が初めてです。
それでは、イヤホンの特徴について、良い点と残念な点に分けてまとめてみました。
- オーディオマニアでも満足できるほどの音質で音楽が聴ける
- 軽量かつコンパクトなイヤホンはフィット感が良い
- マルチポイント機能が充実しているので、最大3台のデバイスが同時に使える
- かゆい所に手が届くほど、細かいカスタマイズが行える
- LDACと空間オーディオの併用ができない
- 充電ケースが傷付きやすい
Technics「EAH-AZ100」をおすすめできる方

先程解説させて頂いた「EAH-AZ100」の特徴をもとに、このイヤホンをおすすめできる方についてまとめてみました。
- 音質にこだわったイヤホンをお探しの方
- イヤホンの乗り換えを検討されていた方
- 通話性能の高いイヤホンを探している方
- ワイヤレスイヤホンの装着感に不満があった方
- 価格重視でイヤホンを探している方
タップできる目次
Technics EAH-AZ100のレビュー
それでは、Technicsの「EAH-AZ100」を使用してみた感想をお伝えしていきます。
パッケージ|イヤホンの外観や同梱物

「EAH-AZ100」は環境に配慮したプラスチック不使用のパッケージになっています。

前作に比べてパッケージは一回り小さくなってる

パッケージを開封してみると、イヤホン本体・イヤーピース・充電用のコード・説明書が同梱されていました。
イヤーピースは5サイズ同梱されているので、耳のサイズに合わせて細かく調整が可能です。

イヤピの形状も楕円形になっていて、フィット感が高そう

イヤホンを収納している充電ケースのサイズは、縦3.6×横6.9×奥行2.7cmと手のひらに収まるほどコンパクト。
総重量もわずか54gほどとワイヤレスイヤホンの中でも軽く、携帯性に優れたイヤホンです。

前作よりもコンパクトになって軽量化している

機能が上がっているのに、小さくなっているってすごい

充電ケースのデザインは前作と大きな違いはなく、今作の方がやや丸みを帯びたデザイン。
上部にエンボス加工されたテクニクスがゴールドに光ってとても上質で高級感が漂っています。

充電ケースを開けるとこんな感じにイヤホンが収納されていて、上部の蓋が大きく開くのでイヤホンが取り出しやすいのも嬉しいポイントです。

イヤホンが掴みやすいので、取り出す際に落としにくい

「EAH-AZ100」のイヤホンは耳にすっぽりと収まるスタンダード型の形状で、重さは片耳で約5.9gと前作よりも約16%も軽くなっています。
イヤホンの側面には、スピン加工された美しい模様とテクニクスのロゴが輝いてかっこいい。

高級感があり所有欲を満たしてくれる
イヤホン本体の側面部分には、タッチセンサーとなっているのでタップすることで操作が行えます。
操作のたびにスマートフォンを取り出す必要もないので、とても便利な機能です。
- 再生・停止:左右どちらかを1回タップ
- 次の曲へ:右を3回タップ
- 前の曲へ:左を2回タップ
- 音量を下げる:左を2回タップ
- 音量を上げる:左を3回タップ

アプリで操作の割り振りを細かく変更できるよ
カラーバリエーション

カラーバリエーションは、ブラックとシルバーの2色展開となっています。

どちらも使いやすいカラーリングになっています
音質|低音域と高音域の表現力が進化

一聴して感じたのは、「EAH-AZ80」よりもワンランク上の音質に仕上がっていること。
「EAH-AZ100」には、テクニクスの有線フラッグシップモデル「TZ700」と同じ磁性流体ドライバーが採用されており、
その恩恵を受けてか、上下のレンジが広がって低音域と高音域の表現力が進化しています。
低音域は豊かで深みがあり、高音域は見通しの良い伸びの良さを感じられました。
中域も素晴らしく、あたたかみのあるボーカル表現は男女のシンガーに関係なく、豊かに鳴らしてくれます。
また、「EAH-AZ100」は、高音質でバランスの整った音質なので、苦手な楽曲はほとんどなく、オールジャンル楽しく聴けるイヤホンだと感じました。
10万円を超える「TZ700」には音質は劣りますが、ワイヤレスかつ3分の1の価格でこの音質を実現したテクニクスの技術に感動しました。

空間オーディオモードは、臨場感たっぷりに音楽や動画を楽しめる
ノイキャン|中低域の雑音を驚くほどカット

「EAH-AZ100」のノイズキャンセリング性能はとても優秀です。
前作よりノイキャン性能が高くなっているだけでなく、環境音に合わせて自動で最適なノイキャンレベルに調整してくれます。
そのため、ホワイトノイズやノイキャン特有の耳が詰まる感覚がほとんどなく、快適に使用することができます。

アプリを使って手動でノイキャンレベルを調整することも可能
ノイキャンの強度としては、BOSEのハイエンドモデルには一歩及びませんが、ノイキャンの自然さやクオリティとしては、同価格帯トップの性能だと感じました。

前作と比較すると特に中低域の性能が向上しており、人の話し声なども前作よりもしっかりとカットしてくれます。

カフェで作業をしたい方や、周囲の人の声が気になる方におすすめ
装着感|軽量かつコンパクトに進化、長時間でも疲れない

前提として前作イヤホンの装着感も良く、口コミでも高く評価する声が多くありましたが、
「EAH-AZ100」は、より小型化かつ軽量化を実現、さらにフィット感が良く、長時間使えるイヤホンに進化しました。

とはいえ、前作より大きく形状が変わったわけではなく、基本的には前のデザインを継承しつつ、
前作よりも重さが16%軽量に、体積も10%小型化を実現しています。
特に、耳に入る部分のコンチャと呼ばれる部分では30%も削減されていて、フィット感も向上。

耳の小さな方や、長時間使用する人にも嬉しい進化

耳への負担を軽減しながら、より安定した装着感を追求したコンチャフィット形状を採用しているそうです。
装着感は人により異なりますが、今までワイヤレスイヤホンが合わなかった方にもおすすめできる製品だと思います。

イヤーピースは5種類も付属しているので、あなたの耳に合ったものを選べます
外音取込|自分の耳で聞いているかのように自然に使える
「EAH-AZ100」は、外音取込機能もしっかりと進化しています。
筆者が今までに使用したイヤホンでもっとも外音取込機能が優秀だと感じたのは、「AirPod Pro 2」でしたが、今作はその次に優秀な性能を搭載したイヤホンだと思います。

自分の耳で聞いているかの様な自然な聞こえ方にびっくり
もちろん、周囲の音を取込ながら音楽をBGM代わりに流したり、そのまま会話を自然に行ったりすることが可能です。
取込レベルも細かく調整ができるので、用途に合わせてカスタマイズして活用してみてください。

ちなみに、風切り音の対策もバッチリです。
風がイヤホンのマイクに当たって聞こえる「ボフボフ」と鳴る風切り音ですが、
今作は新たなマイクの搭載や配置にこだわった恩恵があり、風の強い場所で使用しても驚くほど風切り音が気になりません。

ホワイトノイズも気付かないレベルになっている
通話性能|あなたの声を通話相手にクリアに届ける

テクニクスを手がけるパナソニックは、電話機の開発も行っており通話品質には以前より定評がありました。
前作「EAH-AZ80」も通話品質が良く、仕事でも使えるほど優秀でしたが、今作は機能が向上しさらに面白い機能も追加されています。
電話中の周囲の雑音が通話相手に聞こえないようにノイズを除去する機能は前作にも搭載されていましたが、
さらにパワーアップしていて、結構な騒音がする場所で使用してもほとんどのノイズをカットしてくれ、あなたの声だけをクリアに届けてくれます。

5億件の音声データを学習したAIを使っているらしい
カフェ店内の音を再生(平均60dBある)しながら録音をしてみましたが、話し声や店内の騒音はほとんど聞こえないレベルで除去されていました。
また、通話相手の声をクリアにする機能「Voice Focus AI」も搭載。
相手が騒がしい環境で通話している場合でも、相手の声を聞き取りやすくクリアな音声に変換してくれます。

通話に関する機能が充実している

余裕で仕事で使えるレベルの通話性能
マルチポイント:より使いやすく、分かりやすく進化

3台のデバイスに同時接続できるマルチポイントが搭載されているので、スマホとパソコンとタブレットなど、複数デバイスを持っている方にはうれしい機能です。
新たに進化したポイントとしては、
- 接続時のアナウンス音声が7種類に増えた
- 接続端末の優先順位を決められるようになった
などの機能が追加されました。
デバイス同士の切替もスムーズに行えるので、思い通りに使うことができてとても快適です。

マルチポイント機能がより使いやすくなっている
アプリ|カスタマイズ性が高く、細かな設定も可能に

「Technics Audio Connect」アプリを使用するることで、このイヤホンの能力を最大限引き出すことが可能です。
アプリは無料でダウンロードできますので、是非使ってみてください。
- モードの切替・設定
- イコライザー設定
- タッチ操作のカスタマイズ
- イヤホンを探す機能
- ファームウエアの更新
細かい調整が行えるので、自分好みにカスタマイズしたい方にはぴったりのイヤホンです。

もちろん、アプリを入れなくても問題なく使用することができます
スペック・価格の一覧表
発売日 | 2025/1/23 |
販売予定価格 | 39,600円(税込) |
タイプ | カナル型 |
充電方式 | USB Type-C・ワイヤレス充電 |
コーデック | SBC・AAC・LDAC・LC3 |
ドライバー | 10mm |
重量 | イヤホン本体5.9g・充電ケース込み53.8g |
連続再生時間 | 最大10時間 (充電ケースと合わせて最大28時間) |
充電時間 | 約2時間 |
マイク | 〇 |
マルチポイント | 3台 |
カラーバリエーション | ブラック/シルバー |
防塵・防水性能 | IPX4 |
Bluetoothバージョン | 5.3 |
「EAH-AZ80」との違いは?
「EAH-AZ100」と「EAH-AZ80」の違いが気になる方も多いのではないかと思い、スペックを比較してみました。
項目 | EAH-AZ100 | EAH-AZ80 |
---|---|---|
発売日 | 2025/1 | 2023/6 |
メーカー販売価格 | 39,600円 | 36,630円 |
最大再生時間 | 最大28時間 | 最大24時間 |
イヤホン単体の再生時間 | 最大10時間 | 最大7時間 |
ドライバー素材 | 特殊アルミニウム 振動板10mmドライバー (磁性流体ドライバー) | アルミニウム 振動板10mmドライバー |
ノイキャン | 環境適応型自動調整 | アプリによる手動調整 |
重さ | 片耳5.9g 総重量53.8g | 片耳7.0g 総重量64g |
防塵防水性能 | IPX4 | |
マルチポイント | 対応 | |
コーデック | SBC/AAC/LDAC/LC3 | SBC/AAC/LDAC |
まとめ-こんな方におすすめ-
最後に、「EAH-AZ100」をおすすめする方と、こんな方にはおすすめできない方をまとめましたので、ご参考いただけたら幸いです。
- 音質にこだわったイヤホンをお探しの方
- イヤホンの乗り換えを検討されていた方
- 通話性能の高いイヤホンを探している方
- ワイヤレスイヤホンの装着感に不満があった方
- 価格重視でイヤホンを探している方
EAH-AZ100って実際どうなの?