イヤホンのコーデックについて解説-iPhone・android・Xperia対応のコーデックはなに?

ワイヤレスイヤホンとスマートフォンって相性の良し悪しがあるってご存知でしたか?

それぞれのコーデックを合わせることで、遅延を最小限にしたり高音質で音楽が楽しめるようになります。

本記事では、iPhone・Android・Xperiaのワイヤレスイヤホン選びで大切な「Bluetooth」と「コーデック」について解説します。

イヤホン選びで大切なBluetoothの仕様とは

Bluethoohとは、端末同士を無線で繋ぐ通信技術を指します。

身近な例を上げると、ワイヤレスのマウス・キーボードなどにもBluethoohの技術が使われており、有線のわずらわしさから私たちを解放してくれています。

そんなBluetooth通信は、スマートフォンとワイヤレスイヤホンを接続する際にも使われております。

進化するBluetooth

Bluetoothの歴史は20年以上前にもさかのぼり、1999年にバージョン1.0が発表されました。

2023年現在の最新バージョンは5.3となっており、約24年掛けてバージョンアップを繰り返してきました。

Bluetoothのバージョン機能
1.1Bluetoothが多くの人に知られるようになったバージョン
2.1バッテリー寿命を約5倍に伸ばし、ペアリングが高速化
3.0最大転送速度24MbpsのHS機能を実装
4.0LE機能を実装することで省電力化を実現
5.0バージョン4.0に比べ、以下の機能が強化
転送速度が2倍
通信範囲が4倍
通信容量が8倍
ワイヤレスイヤホンに関係するBluetoothのバージョン紹介

バージョンが上がるにつれ、通信範囲の拡大・通信速度の向上・消費電力の効率化を実現。安定した通信環境で長時間音楽を楽しめる環境になりました。

ワイヤレスイヤホンを使用する場合、Bluetooth5.0以降のバージョンが推奨されております。

2020年以降に発売されたイヤホンであれば、ほとんどの機種でBluetooth5.0以降のバージョンを採用していますので、一つの目安になるかと思います。

ちなみに、バージョンのことなる機器同士を接続する場合でも互換性があるので問題なく接続できます。

ただし、Bluetooth4.0(スマートフォン)とBluetooth5.0(イヤホン)の端末を接続する場合は、低いバージョンのBluetooth4.0で接続されるので注意が必要です。

Bluetoothのバージョンはイヤホン選びに影響を与えるのか?

答えは、NOです。

Bluetoothのバージョンが異なっても音質には影響はありませんが、Class(クラス)によって通信できる距離が異なります。

Class(クラス)別の距離

一般的なイヤホンにはClass2が搭載されています。

  • Class1:到達距離が約100m
  • Class2:到達距離が約10m
  • Class3:到達距離が約1m

中華製の無名ブランドだとポケットに入れるだけで通信が途切れるものもあります

ペアリングについて

最近はスマートフォン以外にもタブレットやパソコンなど複数のデバイスを所有する方が多くなったこともあり、ペアリング機能が充実しております。

通常ワイヤレスイヤホンをデバイス(スマートフォンやパソコン)に接続する場合、1対1で繋いで使用していました。

しかし、この方法ですと使用端末を変えるごとにイヤホンの接続を切り替える煩わしさが生じます。

そこで登場したのが、マルチペアリングという機能です。

所有している端末を複数登録でき、使いたい端末側から簡単に接続することができます。

例えば、先程までパソコンで動画を見ていたが、スマートフォンで電話をしたくなった時には、スマートフォンから接続を行えば接続を切替えることができます。

また、似た機能としてマルチポイントという機能があります。

この機能の特長は、複数の端末に同時に接続することが可能な点です。

使用例としては、イヤホンとペアリングしているスマホとパソコンがある場合、どちらの端末に着信があってもそのまま通話を開始することができます。

※マルチペアリングでは、直近に接続していた端末に着信がないとイヤホンを付けたまま通話を開始できません

デバイスの切替が多い方は、マルチポイントを搭載したイヤホンが便利

コーデックとは

コーデックとは、Bluethooh接続時にスマートフォンからイヤホンに音楽データを送る時の圧縮形式を指します。

iPhoneはAACと言うコーデックに対応しているので、AACを搭載したイヤホンを使うことでiPhoneの性能を十分に引き出すことができます。

基本的に、複数のコーデックに対応しているイヤホンが主流で、SBCとAACを搭載しているものが多い傾向にあります。

コーデックの種類は10種類以上ありますが、主要な4種類(SBC・AAC・aptX・LDAC)を抑えておけば問題ありません。早速、それぞれの特長について見ていきましょう。

SBC

SBCは標準的なコーデックで、Bluethooh接続をする際には標準として採用されています。

特長的には、遅延・音質共にそこそこの性能です。現在発売されているイヤホンではSBCのみを搭載しているイヤホンは少なくなってきています。

AAC

iPhoneはじめ、iPad・iMacなどのApple製品にはAACのコーデックが採用されています。

SBCよりも遅延が少なく・音質もいいです。Apple製品でイヤホンを使用する際はAACコーデックのものがおすすめです。

aptX

Androidには主にこちらのコーデックが採用されております。AACよりも音質が良くて遅延が少ないのでゲームや動画でも気になりません。

aptXに対応するAndroid端末があるなら最大限活用できるように、aptXを搭載したイヤホンがおすすめです。

LDAC

Xperia端末や新型のandroid(8.0以降)には主にこちらのコーデックが採用されております。ソニーが独自で開発したコーデックで、超高音質を実現しています。

その分データ量が大きいのでSBCよりも遅延があり、ゲームや動画ではタイムラグを感じるので、あくまでも音楽を楽しむ方向けのコーデックになります。

スマートフォンとコーデックの対応表

遅延の感じ方については個人差がありますが、普通の方なら0.12秒程度(AAC)のズレであれば気にならないはずです。

0.05~0.07秒程度(aptXかaptX Adaptive)のズレであれば、音楽や楽器経験者でも違和感なく視聴することができると思います。

コーデック機能デバイス遅延
SBC標準コーデック全てのデバイスに対応約220ms(0.22秒程度)
AACSBCより音質が良く、遅延が少ないiPhone約120ms(0.12秒程度)
aptXハイレゾ相当の音質、遅延が少ないAndroid約70ms(0.07秒程度)
aptX Adaptiveハイレゾ相当の音質、より遅延が少ないく接続が安定Android約65ms(0.05~0.08秒程度)
LDACハイレゾ相当の音質、遅延があるAndroid約1000ms(1秒程度)
スマートフォンとコーデックの対応表

まとめ

ワイヤレスイヤホン選びで重要な「Bluetooth」と「コーデック」について解説した内容をまとめました。

Bluetoothについて
  • Bluetoothのバージョンは5.0以上を搭載したイヤホンを選ぶこと
  • デバイスを複数所有しているなら、マルチペアリング機能付きを選ぶこと
  • 同時に複数のデバイスを使うことがあるなら、マルチポイント機能付きを選ぶこと
コーデックについて
  • iPhoneならAAC搭載のイヤホンがおすすめ
  • AndroidならaptX搭載のイヤホンがおすすめ
  • Xperia端末や新型のAndroid(8.0以降)で音楽を楽しむなら、LDAC搭載のイヤホンがおすすめです。ただし、動画やゲームをする目的の場合は、aptX搭載のイヤホンを選ぶと遅延が少なくなります